西園寺先生は紡木さんに触れたい
2.西園寺先生は紡木さんに近付きたい
「それでね、藤木くんったら酷いの!」
「…。」
「花奏?聞いてる??」
「ん、あ、うん!」
「…なんか元気ない??」
翌日の放課後。
いつもと同じように紡木は恋愛相談を承っていた。
しかし頭では昨日の出来事がちらついて話が頭に入ってこなかった。
…それに先生のせいでちっとも眠れなかったし。
紡木は「大丈夫。」と心配を流しつつも、こっそりあくびを噛み殺した。
「…ありがとね!またなんかあったら相談乗って!」
「うん!もちろん。」
そう言って手を振りながら降りていく女子生徒を見送ると、ぺたん、と壁にもたれかかった。