西園寺先生は紡木さんに触れたい

3.西園寺先生は紡木さんを知りたい

遡ること、2週間ほど前。



「ん〜〜！！」



三日間続いた中間テストを漸く終えた紡木は、自分の席で大きく伸びをした。


この地獄からやっと解放される…！


そう思って、帰り支度をしていると。


「オイ、ツムツム。」


「ひいっ！」


蓮に声を掛けられた紡木は反射的に悲鳴を上げた。


蓮はそんなことは気にせず、どかっと紡木の席に腰を下ろした。


「この間は…悪かった。」


「え、あ、うん…。」


蓮から飛び出した意外な言葉に紡木は少し戸惑った。


「どうしてもお前の力が必要なんだ。助けてくれ…！」


そう言うと蓮はいきなり立ち上がって、紡木に深々と頭を下げた。


「え、ちょ、ちょっと！いいって！」


教室中の視線が自分達に向かっていることに恥じらいを感じつつも、紡木は蓮に頭を上げるように言った。