雪の国の恋、とけない魔法
4人でハウスにもどって座ったら、上月さんが「はい、」ってあたたかいココアを目の前に置いて隣に座った。
飲んだらジワジワと体の温度があがった。
ちょっと、
やっぱり、
かなり怖かった。
上月さんに感謝してる。
感謝して、ありがたすぎて、大好きで、ん?
一瞬変なことまで考えたような⋯⋯ 。
「ありがとうございました。もう、命の恩人です」
と改めてお礼を言ったら、
「そう思うなら、今日と、それと明日1日、オレが教えるから」
と言った。
「それは、だって、上月さん滑れないじゃないですか」
「感謝してくれてるんだろ? じゃ、2日ともオレと滑れよ」
「それって、逆なんじゃ⋯⋯ 」
「オレがそうするって言ってるんだ、そうして」
口調はきっぱりと少しそっけない感じかも、と思っていたら、
「滑れるようになりたいんだろ? 」
と優しい声。
彼を見たら、ちょっと困ったみたいに、口調よりずっと花梨の気持ちを気にしているようにじっと見ていた。
「出来るようになりたいです」
って答えた。
上月さんが黙って花梨の目を見て、それからフッと緩むように嬉しそうにもっと優しくなって、花梨を包むように笑った。