雪の国の恋、とけない魔法


だからって、花梨は女子校が好きだった。
それに女子を見る目だけは養われているのだ。

新田さんはまずい。
どんなに努力しても、やはり相容れない人はいるもので、彼女たちもそんなかんじだ。
価値観や考え方が違うんだ。
お互いそう思うから、かかわらないようにしているのにな。

ふと自分の荷物を見たら、やはり急速に自信がなくなる。スキーの用意。大丈夫かな⋯⋯ 。

ウエアは美紀と買いに行ったら、近くのお店が閉店していた。
他のお店も何軒か見に行ったが、高かったり、置いてなかったりと苦労して、何とか一応揃えた。
黒白のチェック柄で、普通のコートにも見えるような感じ。
インナーも大型店でしっかり厚めの物を購入。
その他ゴーグルやら手袋やら帽子。
それだけでもかなりの出費だったのよね⋯⋯ 。

それに私服も結構買った。
やはり人と旅行に行こうと思うと、何だかんだと足りないものがあったんだ。

飛行機代、ホテル代、スキー代、リフト代、
あー、それに、板と靴のレンタル用品代にあとは食費⋯⋯ 。
別に困窮しているわけではないが、社会人になって、親に出してもらうのは恥ずかしいし、実際痛い出費だ。
お土産も買わなきゃ⋯⋯ 。

みんなどうしてやりくりしてるんだろう、とか考えていたら、例の新田さん3人組が歩いてくるのが目に入った。

ほら、真新しい鞄に、可愛い私服。
上から下までスキー用品を揃えたらしいと聞いた。

ちょうど上月さんも歩いて来たので、新田さんは駆け寄って挨拶している。それからもチラチラと上月さんを上目遣いで見て、はしゃいだ声が遠くても聞こえてきた。
カッコいいもんね。
新田さんが上月さんを狙っているのは、薄々感じていたんだ。
まぁ、その気持ちだけは理解できる⋯⋯ かな⋯⋯ 。


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