僕らはきっと
翌日、授業を終えた僕たちは写真部の部室へ向かった。赤木さんによると、まず1年生は夏にある写真コンテストでの入賞を目指すらしい。そのために、毎週機会を見つけて外に写真を撮りにいくとのことだった。
「週末、予定ある?」
赤木さんに聞かれて、スケジュールを見ると、通院とあった。だが、午前に診察を終えたら午後は時間ができるだろう。
「午後なら大丈夫です。」
寺坂も空いていたようで、記念すべき初部活の日が決まった。カメラは部から借りることができた。
帰り道、寺坂と2人で帰った。
「週末の部活、迎えにいくよ」
自分が病気であることをまだ寺坂に話せていない。話すつもりもないのだが。
「いや、その日は別の用事があって、終わってから行くから現地集合で大丈夫。」
何か言いたそうな顔をしたが、気づかないフリをした。
何か様子がおかしい、と薄々気付いていたが、突き詰めるのも面倒なので放っておくことにした。
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