先生、恋愛を教えて。
「そっか……」
昔からおばあちゃんだけがわたしに優しかった。
今は遠くに住んでいて時々しか会えないけれど、たまにする電話でもいつも気にかけてくれていた。
きっとこのお金の援助の話が突然出たのも、さやかがおばあちゃんにこっそり助けを求めたからなんだなと想像がつく。
「それにね、私、最近本当に調子が良くて、病院の先生にも専門学校に通ってもいいだろうって言われたんだ」
「そうなの?よかったね、さやか」
「うん、4月から通えるように今勉強してるんだ。それにね、週に2回だけだけどアルバイトもしてるの」
車を飛ばせば30分かからないところで暮らしているのに、さやかの急激な成長に驚くばかり。
去年手術してリハビリも頑張ってきたさやかの姿を思い出して、思わず感極まった。
「だからね、お姉ちゃん。もうお金送らなくても大丈夫だからね。アルバイトもやらなくていいんだからね」
わざわざこれを言うために家に来てくれたんだ、さやかは。
昔から両親とはうまくいかなかったけれど、さやかとはずっと仲良しだった。
さやかのせいで自分が我慢をしないといけないと憎んだ時期もあったけれど、それは昔の話。