先生、恋愛を教えて。
4.言葉の続きを聞きたい
「美菜、この前の部活はどうだった?」
次に先輩と会ったのは、初めて部活の指導に行った次の日だった。
あれからお琴を新しく作るのにはお断りの電話を入れた。
先輩は非常に残念がっていたけれど、それ以来その話題には一切触れてこなかった。
「この前は初回だったから、顔合わせみたいな感じになっちゃったかな。あんまり指導はできなかったし」
「そっか。今人数10人くらいいるんだっけ」
「うん、3年生も入れたらね。引退しちゃったら、6人に減っちゃうみたいだけど。でも、高校生かわいかったー。すごく純粋で練習もキラキラした目で取り組んでるの」
「美菜と一緒じゃん」
声をあげて笑う先輩は、いつものように意地悪そうな顔をしている。
でも、なぜかその表情にいつも以上に温かさが感じられた。
「わたし、そんな顔してる?」
「うん、してる。お琴弾いてるとき、目がキラキラしてる。特に……」
「特に?」
「いや、何でもない」
「何それ。変な先輩」