先生、恋愛を教えて。
でも、ずっとこのままというわけにはいかないから、事情を知っていそうな人物に電話をかけてみることにした。
「もしもし、さやか?今いい?」
「うん、お姉ちゃん、どうしたの?」
「今、お母さんが来たんだけど」
「あ、お母さん出かけたと思ったら、お姉ちゃんのところ行ってたんだ。お姉ちゃん、受け取ったでしょ?」
やっぱり、妹のさやかは事情を知っているみたいだ。
「うん、受け取ったけど。このお金、どうしたの?」
「実はね、お父さんとお母さん実家に戻って、高く売れそうなものを持って帰ってきたの。それを売って100万作ったんだって」
「え?」
「お父さんが実家に隠し持ってたギターあったでしょ?あれが一番高く売れたみたいだよ」
「え!?あのビンテージもののギター売っちゃったの?」
「うん、もうお父さん弾かないからいいって。それにね、足りない分はおばあちゃんが助けてくれたんだよ」
「おばあちゃんが……」
「うん。お母さんが少しずつ返していくって話をしてた」