私が嘘が嫌いな理由
ヒロシの視線は私から離れないまま、私達2人の前で立ち止まる。

すると隣にいたユタカが、いきなりナイフを取り出してヒロシの右腹を無言で刺した。


「ゔぅっっ、、」


(え?え?何が起こったの??)

目の前で起こっていることなのに
視覚と脳が上手く繋がらず
全く理解できない。

ただ、このままだとユタカが殺人者になってしまう!ということだけは、わかった。

ヒロシが刺され箇所を確認しようと
目線が下に向き始める。

慌ててユタカの手をナイフから離し
私が持ち直すことで
彼を犯罪者にするのを防ごうとした。

(これで私がヒロシを刺したことになる)

ユタカを守れたと思った瞬間に
ヒロシは右腹に刺さっていたナイフを
自分の右手で引き抜き
今度は私の喉に刃先を当てながら


「オレのことを愛しているか?」


と、聞いて来た。

そんなことを聞かれたら
私の答えは1つしかない。

「はい、私も愛しています」
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