私が嘘が嫌いな理由
「嘘つき」

ヒロシは、そう言って
最後の力を振り絞るようにして
私の喉をナイフで刺した。

喉から暖かな血が流れ出るのを感じながら、ユタカを守れたことに安堵しつつも、意識は段々と朦朧としていく。


「チヤコ…」


私には、その声が誰のものかわからない。


本当はユタカを愛している。

ユタカと一緒になりたかった。


だからこそユタカを守る為に、私はヒロシには嘘を付いた。


その嘘によってユタカを傷つけ、私も傷ついていたことに気付いたのは、ずっと後のこと。
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