千早くんは、容赦が無い
前にこのアトラクションで遊んだらしい涼介くんがそう言っているのなら、大丈夫そうだね。
「サメいつ出てくんだろー?」
千早くんはわくわくした様子で池を眺めている。
その無邪気な横顔がやっぱりかっこよくて、私はサメよりも千早くんのことが気になってしまった。
そろそろじゃないかなー、って私が言おうとしたその時。
「わっ! 出た」
大きなサメが牙をむき出しにしながら、水面から突如顔を出してきて、千早くんが嬉しそうな声を上げる。
思った以上に勢いの良い飛び出し方に、水しぶきが上がる。
なかなかの迫力に、私も楽しい気分になった。
――だけど。
今まで全然風なんて吹いていなかったのに、突然強い風が吹いた。
突風って言っても差し支えないくらい、激しい風だった。
風は上がっていた水しぶきを飲み込み、ボードの方へと吹き付ける。
しかもなぜか私の方に風が向いていて。
このままだと、水しぶきが私に直撃しそうだった。
――すると。
「おっと」
千早くんのそんな声が聞こえたかと思ったら。
なぜか私に当たるはずだった水滴は、全然当たらなかった。
「サメいつ出てくんだろー?」
千早くんはわくわくした様子で池を眺めている。
その無邪気な横顔がやっぱりかっこよくて、私はサメよりも千早くんのことが気になってしまった。
そろそろじゃないかなー、って私が言おうとしたその時。
「わっ! 出た」
大きなサメが牙をむき出しにしながら、水面から突如顔を出してきて、千早くんが嬉しそうな声を上げる。
思った以上に勢いの良い飛び出し方に、水しぶきが上がる。
なかなかの迫力に、私も楽しい気分になった。
――だけど。
今まで全然風なんて吹いていなかったのに、突然強い風が吹いた。
突風って言っても差し支えないくらい、激しい風だった。
風は上がっていた水しぶきを飲み込み、ボードの方へと吹き付ける。
しかもなぜか私の方に風が向いていて。
このままだと、水しぶきが私に直撃しそうだった。
――すると。
「おっと」
千早くんのそんな声が聞こえたかと思ったら。
なぜか私に当たるはずだった水滴は、全然当たらなかった。