千早くんは、容赦が無い
しかもさっきは、千早くんの寒さを和らげるという目的だったとはいえ、手まで握っちゃった。
最初は冷たかった千早くんの手が、段々温かくなっていた感触が、鮮明に残っている。
なんだか今も千早くんの体温が自分の手に残っているような気がして、私は思わず手を握りしめてしまった。
なんなんだろう、このドキドキと温かい気持ちが混ざっているような感覚。
千早くんのことを考えると、頭がポーッとしてしまう。
「ちょっと亜澄? おーい」
「……はっ」
思わずぼんやりとしてしまっていた私は、桜子に呼びかけられて我に返った。
「ご、ごめん桜子」
「いやいや。千早くんのことで頭がいっぱいだったんでしょ?」
にやりと笑って桜子が言う。
このタイミングでそれは否定しづらくて、私は「うう……」と小さく呻いた。
「ぼーっとしていた亜澄、完全に恋する乙女の目をしてたし」
「えっ、恋する乙女!? まさか!」
「いやいや、誰がどう見てもそうでしたから。目はちょっとうるっとしてたし、ほっぺはほんのり赤いし。なんだかいつもより亜澄がかわいく見えた~!」
最初は冷たかった千早くんの手が、段々温かくなっていた感触が、鮮明に残っている。
なんだか今も千早くんの体温が自分の手に残っているような気がして、私は思わず手を握りしめてしまった。
なんなんだろう、このドキドキと温かい気持ちが混ざっているような感覚。
千早くんのことを考えると、頭がポーッとしてしまう。
「ちょっと亜澄? おーい」
「……はっ」
思わずぼんやりとしてしまっていた私は、桜子に呼びかけられて我に返った。
「ご、ごめん桜子」
「いやいや。千早くんのことで頭がいっぱいだったんでしょ?」
にやりと笑って桜子が言う。
このタイミングでそれは否定しづらくて、私は「うう……」と小さく呻いた。
「ぼーっとしていた亜澄、完全に恋する乙女の目をしてたし」
「えっ、恋する乙女!? まさか!」
「いやいや、誰がどう見てもそうでしたから。目はちょっとうるっとしてたし、ほっぺはほんのり赤いし。なんだかいつもより亜澄がかわいく見えた~!」