千早くんは、容赦が無い
「だから、河川敷でひとりで練習してたんだね……」
「うん、最近はね」
麗奈が外で練習をしていたのを私が見たのは一度だけだったけれど、「最近はね」ということは、しばらく部活に行っていないということみたいだ。
あれ、でもそうなると……。
「でも、部活さぼったらコンクール大丈夫なの? 麗奈は出られるの?」
別の不安も出てきて、私は尋ねる。
コンクールは演奏会とは違って、演奏の巧みさを競うのが趣旨のはず。
だから練習に出ていない麗奈は、顧問の先生からはよく思われていないかもしれない。
すると麗奈は、シュンとした面持ちになってこう答えた。
「……そうだね。このままじゃコンクールのメンバーから外されちゃうかも」
「えっ……。麗奈はそれでいいの?」
「もちろん嫌だけどさ……。でも、針の筵って感じて部活に行くの辛いんだもん。女の先輩たちも、あたしがコンクールから外されたらせいせいして、その後はいじめてこなくなるかも……なんて思ってるんだよね」
「そんな……」
私は言葉を失ってしまう。
「うん、最近はね」
麗奈が外で練習をしていたのを私が見たのは一度だけだったけれど、「最近はね」ということは、しばらく部活に行っていないということみたいだ。
あれ、でもそうなると……。
「でも、部活さぼったらコンクール大丈夫なの? 麗奈は出られるの?」
別の不安も出てきて、私は尋ねる。
コンクールは演奏会とは違って、演奏の巧みさを競うのが趣旨のはず。
だから練習に出ていない麗奈は、顧問の先生からはよく思われていないかもしれない。
すると麗奈は、シュンとした面持ちになってこう答えた。
「……そうだね。このままじゃコンクールのメンバーから外されちゃうかも」
「えっ……。麗奈はそれでいいの?」
「もちろん嫌だけどさ……。でも、針の筵って感じて部活に行くの辛いんだもん。女の先輩たちも、あたしがコンクールから外されたらせいせいして、その後はいじめてこなくなるかも……なんて思ってるんだよね」
「そんな……」
私は言葉を失ってしまう。