千早くんは、容赦が無い
 話を邪魔された陸が戸惑いながらも抗議の声を上げるも、浮ついた様子の桜子にはまったくその声は届いていないみたいだ。

 陸の存在など見えていないようで、前のめりになって私に話しかけ続ける。

「あ、えっと……」

 どうしたらいいかわらかない私は、まごまごしてしまう。

 だけど陸が大きくため息をついて、トボトボと寂しくひとり歩き出した。

 今私と話すのを陸は諦めたみたいだ。

 陸の話なんだったんだろう?

 気になったけれど、桜子の尋常じゃない勢いの中では陸と話をするのは難しそうだ。

 陸ももう行っちゃったし、後で話を聞くことにしようっと。

「涼介くん、桜子に何の話だったの?」

 気を取り直した私は桜子に尋ねる。

 すると桜子はにんまりと笑って、衝撃の言葉を放った。

「告白だったの!」

「えっ……? こ、告白って!?」

「だから告白されたのっ。私のことが好きだから付き合ってくださいってやつ!」

「え、ええええ!?」

 驚愕のあまり、その場で絶叫してしまう私。

 通りがかった同じ制服を着た子たちが、ちらちらと私たちの方を見た。

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