千早くんは、容赦が無い
 唐突なお付き合いに思えたけれど、案外相性のいいふたりなんじゃないかって私には思えてきた。

「だから、私『セン』くんとは会わないことにしたんだ」

「そっかー。残念だけど仕方ないね」

 そりゃそうするよね、と納得する私だったけれど。

「というわけで亜澄、ごめん。今日だけ私のふりして『セン』くんと会ってくれない?」

「えっ……?」

 一瞬桜子の言っている意味が分からず、固まってしまう私。

 桜子のふりをして『セン』くんと会う……?

 な、なんで!?

「い、行けなくなったって桜子が断るのはダメなの!?」

「そう思ったんだけど、今日の今日だからドタキャンになっちゃうし、せっかく『セン』くんも予定空けてくれていたのに申し訳なくて……。涼介くんがいるから今後はもう会うことはなさそうだけど、これからもSNSでは仲良くしたいしさあ」

「そ、それはそうかもしれないけど……」

 桜子の言い分にも一理あるとは思いつつ、私が桜子のふりをして「セン」くんと会うなんて。

 私はみんなからよく、思っていることが顔に出やすい、わかりやすいって言われる。

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