千早くんは、容赦が無い
 だけど私に一目ぼれの方がもっとあり得ないしなあ。

 なんて悩んでしまう私だったけれど、桜子に「難しいことは考えないで」と言われたのを思い出し、頭を振って脳内をクリアにする。

 普通に、自然に、と……。

『さっきはいきなり帰っちゃってごめんね』

 意を決してセンくんにそう送る私。

 するとすぐに彼から返事がきた。

『よかったー、メッセ来て。俺がいきなり告白なんてしたから、嫌われて逃げられたのかと思った笑』

 はっ、そうか。

 私に告白をした「セン」くんにとってみれば、今までかなりドキドキの状態だったよね……。

 「セン」くんに対して申し訳なく思った私は、すぐにこう返事をした。

『嫌うなんてありえないよ! ただ、そのびっくりしちゃって。まだ私、リアルのセンくんのことよく知らないし……』

『あー、それもそうかあ。突然過ぎてマジごめん』

『謝ることはないけど……。でも今はとりあえず、もうちょっと「セン」くんのこと知りたいな。まずは友達になってくれない?』

< 38 / 221 >

この作品をシェア

pagetop