千早くんは、容赦が無い
『そっか、わかった。そういえばさっきクラスとか本名とか教え合いたかったんだけど、その前にちぇりーが帰っちゃったじゃん? だからここで言い合えたら嬉しいんだけど』

 「セン」くんのその提案に、私は少しだけ迷った。

 でももう「ちぇりー」は私ということになったし、今後のことを考えるならリアルでの友達関係ということになるだろう。

『うん、そうだね。私は普通科二年B組の、如月亜澄です』

 納得した私は、正直に自己紹介をした。

 そして、ドキドキしながら「セン」くんの返事を待つ。

『俺は理数科二年E組の、柊千早。よろしくね』

 千早っていう名前の頭文字をとって、「セン」くんだったんだ。

 そういえば私は「ちぇりー」に一切関係ない本名だなあ。

 怪しまれないかな……。

 なんて少し不安に思っていると

『亜澄ってかわいい名前だなあ』

 またもや「セン」くんがかわいいだなんて言ってきたから、私は驚いてしまう。

 ユーザーネームのことを不審がられなかったのはよかったけれど……。

 「セン」くん、あまりにも簡単にかわいいって言い過ぎじゃない!?

 みんなに言ってるのかなっ?
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