千早くんは、容赦が無い
 やっぱり女子高生といえば恋愛はメインイベントだ。

 私だってそれなりに興味はあるし、かっこいい彼氏が欲しいと思うことだってある。

 だけど桜子と遊んでのんびり植物を育てる日々に満足してるから、無理に彼氏を作ろうとは思っていなかった。

「うーん……」

 やけに今日はノリよく「アオハル」を勧めてくるなあ、桜子。

 何か「アオハル」上でいいことでもあったのかなあ。

 だけど私には、SNSで男の子と仲良くなるなんて、やっぱりハードルが高いよ。

 そんな風に私が考えていると。

「なあ! 今『アオハル』って聞こえたんだけどっ。まさか亜澄、やってるの!?」

 陸が駆け寄ってきた。

 なんだか知らないけど、とても慌てた様子で。

 家が近所の陸と私は、幼稚園からの幼馴染だ。

 気のいい奴だから、ずっと友人として仲良くしている。

 小さい頃からサッカーをずっと頑張っている陸は、もちろん学校でもサッカー部所属。

 二年生ながら、レギュラーに選ばれている。

 しかもうちの学校のサッカー部はとても強くて、もうじき全国大会に行くらしい。

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