千早くんは、容赦が無い
 自然とそう考えた自分自身に首を傾げる私。

 「まだ」って思ったってことは。

 私は千早くんといつか付き合うことを、無意識のうちに想像してたのかな……?

 なんて深く考え出してしまうと、少し暗い気持ちになってきた。

 あまり考えたくないことだったんだ。

 だってもし、私がそう望んだとしたら。

 私は「ちぇりー」じゃないって、いつか千早くんに打ち明けなければならない。

 そうした時、千早くんはどんな反応をするんだろう。

 っていうか、そもそも千早くんが好きなのは私じゃないのかもしれない。

 複雑な状況になってしまっていることに、私は頭を悩ませる。

 ――だけど。

 なんだかんだ言って、明日また千早くんと一緒に帰れることが楽しみなのには間違いは無かった。


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