千早くんは、容赦が無い
 サッカーがうまくて元気な陽キャ、その上顔が整っていることもあり、陸は結構女子にモテるみたい。

 私もよく告白の橋渡しを依頼されたっけ。

 時には「陸くんと亜澄ちゃんって幼馴染らしいけど、もしかして付き合ってるの!?」なんて、あらぬ誤解を受けたこともあった。

 だけど小さい頃から知っているせいか、私は陸に対して全く異性としての感情は持っていない。

 たぶん陸も、私に対してはそうなはず。

「何そんなに焦ってるのー?」

 陸が慌てた様子がなんだかおもしろくて、私はくすりと笑う。

「えっ……。い、いや別に。で、亜澄『アオハル』は……」

「今までもやってないし、これからもやるつもりはないよ。ってか、なんでそんなこと聞くの?」

 私がそう答えると、陸はなぜか安堵したような顔になった。

――そして。

「だ、だよなー!」

 やたらと元気のいい声を上げる。

 なんでそんな嬉しそうな顔するんだろう?

「顔も知らないやつと繋がる必要なんてないよな! これからも亜澄はやらなくていいと思うっ。な?」

 念を押すように私に言う陸。

「え、あ、うん……」

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