千早くんは、容赦が無い
ちょうどコースターが発車した直後みたいで、高いレールをゆっくりと昇っていく様子が見える。
絶叫系が不得意な私は、乗ってもいないくせにそれだけでちょっと緊張してしまう。
そしてレールの頂点まで達したコースターは、ほぼ直角の傾斜を猛スピードで下っていった。
ゴンドラの中にいるというのに、乗客たちのつんざくような悲鳴が響いてくる。
「うわー、すっげ。桜子ちゃんと涼介も今のに乗ってたかな?」
「乗ってたかもね。……いやー、私は見ているだけで怖いよ」
「ね、無理して乗らなくてよかっただろ?」
「うん! 本当にありがとう、千早くん」
間近で見てますますジェットコースターに恐怖心を煽られた私は、改めて千早くんに深い感謝の念を抱いた。
だけどやっぱり千早くんには申し訳なく思ってしまう。
「絶叫系も楽しいけど、俺は亜澄と一緒にいる方が楽しいんだから」なんて言っていけれど、やっぱり私がすんなり乗れる子なら、もっと千早くんは楽しかったはず。
そう言えば、「ありがとう」は伝えたけれど、「ごめんね」は言っていなかった。
「あの、千早くん。今さらだけど……ごめんね」
絶叫系が不得意な私は、乗ってもいないくせにそれだけでちょっと緊張してしまう。
そしてレールの頂点まで達したコースターは、ほぼ直角の傾斜を猛スピードで下っていった。
ゴンドラの中にいるというのに、乗客たちのつんざくような悲鳴が響いてくる。
「うわー、すっげ。桜子ちゃんと涼介も今のに乗ってたかな?」
「乗ってたかもね。……いやー、私は見ているだけで怖いよ」
「ね、無理して乗らなくてよかっただろ?」
「うん! 本当にありがとう、千早くん」
間近で見てますますジェットコースターに恐怖心を煽られた私は、改めて千早くんに深い感謝の念を抱いた。
だけどやっぱり千早くんには申し訳なく思ってしまう。
「絶叫系も楽しいけど、俺は亜澄と一緒にいる方が楽しいんだから」なんて言っていけれど、やっぱり私がすんなり乗れる子なら、もっと千早くんは楽しかったはず。
そう言えば、「ありがとう」は伝えたけれど、「ごめんね」は言っていなかった。
「あの、千早くん。今さらだけど……ごめんね」