千早くんは、容赦が無い
「へえ、よかったねー。桜子と気が合うのかな?」

「うん、やり取りしてると楽しいよ。よく面白い返しもしてくれるし。あっ、それでね、『セン』くんについて衝撃の事実が分かったの!」

「衝撃の事実……?」

 なんだか急に仰々しい言葉が出てきて、私は眉をひそめる。

「そうなの! なんと『セン』くん……私たちと同じ学校だったのです!」

「えっ、えー⁉」

 にんまりと微笑みながら桜子が言ったのは、確かに衝撃の事実だった。

 SNSで知り合った人がまさか同じ学校だったなんて。

 そんな奇跡みたいな偶然、起こるんだ!

「すごいすごい! びっくりーっ。ねえねえ、何年何組の誰なの!?」

 驚いた私は桜子に詰め寄り、興奮した声でそう尋ねた。

 だけど桜子は得意げに笑ってこう答えた。

「ふふ、それはまだお互いに内緒にしてるの。実は明日同じ学校なら会ってみようってことになってさー。お互いの身元については、顔を合わせた時のお楽しみにしてるんだ」

「えっ、明日会うんだ! すごい……」

 思いのほか話が進んでいて、ただ私は感嘆の声を上げることしかできない。

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