君だけに捧ぐアンコール
第三楽章
そのあとはもちろん自分のアパートに逃げ帰った。洗濯や掃除はいいとして食事は困るだろうと思ったので、夕方にたんまりおかずをもっていき、こっそり冷蔵庫に詰め込んで置手紙を置くと、そそくさとまた帰ってきた。
そして日曜の夜に隆文さんと一緒に帰宅し、家事に専念。だって推しにキスされて、それをどう頭で処理しろっていうのよ。なんとか避けまくっていたけれど、月曜日の朝ついに出会ってしまった。目の前にダークグレーの壁、もといダークグレーのスウェットを着た加賀宮さんがいたのだ。
「おおお、おはようございます。」
「普通にしろよ。やりづらい。」
やりづらいって何を!そこへ隆文さんも起きてきた。
「おはよう。花音ちゃん挙動不審だけどどうしたの?」
「私加賀宮さんがKEIだって知らなくて。」
「ははは!今まで気づいてなかったんだって?」
いつの間に隆文さんに話したのか、もう話が伝わったようだ。
「…すみません」
「いや。」
加賀宮さんは私をじっとみながら返事をする。そんなに見ないで!
「しかしピアノの音で気づいちゃうなんて、さすが花音ちゃんだね~。ファンがいてよかったねぇ加賀宮くん」
「まぁ。」
この土日に自分のアパートに帰って悶々と考えた結果、私は加賀宮さんに嫌われているに違いないと悟った。だって嫌味しか言われたことないし、不機嫌な顔しか見たことない。だからきっとあのキスだっていやがらせに違いない。
推しが割と鬼畜だったときってどう心の処理をしたらいいんですか!?
「じゃ、じゃああのその、いってきまーす!」
結局ドギマギとした対応しかできず、朝食は並べて自分は食べずに出発してきてしまった。
そして日曜の夜に隆文さんと一緒に帰宅し、家事に専念。だって推しにキスされて、それをどう頭で処理しろっていうのよ。なんとか避けまくっていたけれど、月曜日の朝ついに出会ってしまった。目の前にダークグレーの壁、もといダークグレーのスウェットを着た加賀宮さんがいたのだ。
「おおお、おはようございます。」
「普通にしろよ。やりづらい。」
やりづらいって何を!そこへ隆文さんも起きてきた。
「おはよう。花音ちゃん挙動不審だけどどうしたの?」
「私加賀宮さんがKEIだって知らなくて。」
「ははは!今まで気づいてなかったんだって?」
いつの間に隆文さんに話したのか、もう話が伝わったようだ。
「…すみません」
「いや。」
加賀宮さんは私をじっとみながら返事をする。そんなに見ないで!
「しかしピアノの音で気づいちゃうなんて、さすが花音ちゃんだね~。ファンがいてよかったねぇ加賀宮くん」
「まぁ。」
この土日に自分のアパートに帰って悶々と考えた結果、私は加賀宮さんに嫌われているに違いないと悟った。だって嫌味しか言われたことないし、不機嫌な顔しか見たことない。だからきっとあのキスだっていやがらせに違いない。
推しが割と鬼畜だったときってどう心の処理をしたらいいんですか!?
「じゃ、じゃああのその、いってきまーす!」
結局ドギマギとした対応しかできず、朝食は並べて自分は食べずに出発してきてしまった。