幼なじみじゃ、いられない。



──これは、一体どういう状況なんだろう。



「ごめんねぇ、お客さまなのにお茶入れさせちゃって」


「いえ、大丈夫です」と返事しながら、おばあちゃんの指示で淹れたお茶を、おばあちゃんと自分の目の前に置く。

おばあちゃんを部屋の中まで連れて行ったら、すぐに帰るつもりだった。


それが誘いを断りきれずに……今に至る。


大地くんは今はいない。
だけどここは紛れもなく、大地くんの家。

そして目の前にいるのは、やっぱり大地くんのおばあちゃんだった。


「いただきます」と小さく呟いて、淹れたばかりの緑茶に口をつける。


大地くんの家で、大地くんのおばあちゃんと二人でお茶を飲んでいる。

……この状況は、一体なに?


「大地のお友達って言ったかしら?最近仲良くしてくれてるの?」


少し緊張しながら、未だ飲み込めない状況にそんなことを思っていると、声をかけられてビクッとした。


「いや、あたしは子どもの頃からの付き合いで……」

「あら、そうだったの?」

「はい、幼稚園からずっと同じで」
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