幼なじみじゃ、いられない。


あたしがそう返事すると、おばあちゃんは少し驚いたように目を丸くした。

でも、すぐに微笑むと、


「あの子にも昔からの友達がいたのねぇ。最近、随分雰囲気が変わったでしょう?」

「え……」

「大地の両親……私たち大人が悪いんだけどね。根はとっても優しい子だから、これからも仲良くしてやってくれると嬉しい」


眉を下げ、もの寂しげに微笑んだまま、言われた言葉。

その言葉に戸惑って、あたしは上手く返事が出来ない。


だって……。

大地くんの様子が昔と変わったのは、何か理由があるってこと……?

それは大地くんのお父さんとお母さんのせい……?


ただ単に、共働きだとか外出しているとかで、おばあちゃんだけなのかもしれない。

だけど何となく、家に入った時から感じていた違和感。


「あ、あの……」


聞くならきっと、今しかない。

『何かあったんですか?』と、口を開こうとした……その時だった。
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