幼なじみじゃ、いられない。
駅前の全国的なチェーン店のカフェ。
窓際端の二人がけテーブル席に座ったあたしは、注文したアイスカフェラテを一口飲んだ。
……緊張する。
もしかしたら、告白の返事をした時よりも。
美波ちゃんと話した後、りっくんに会えないか連絡してみた。
りっくんからの返信はすぐに届いて、今日は学校の用事で少し遅くなるけど、それでも大丈夫だったらということで、今こうしてあたしはりっくんを待っている。
テーブルの上のスマホには、さっき電車を降りたという連絡があった。
だからもうすぐりっくんは、ここに来る。
あたしは深呼吸するように、大きく息を吐いた。
りっくんに言いたいこと、決めているのに……自信がない。
どんなに強い意志で決めていても、りっくんの顔を見たら、あたしは多分──……。
「ひな」
「えっ」
急に声をかけられて、ビクッとして顔を上げると目の前にはりっくんがいた。
さっきまでしきりに店内の入り口を気にしていたのに、今の一瞬気付かなかった。