幼なじみじゃ、いられない。

あたしを真っ直ぐに見つめ、少し寂しそうにも見える表情で言ったりっくん。


「あ……」


何て言ったらいいのか分からず、あたしが吃ると、


「ごめん、困らせること言った」


りっくんは繋いだ手をゆっくり離すと、そのままポンポンと頭を撫でて、「また放課後に」と言い残してバスに乗り込んだ。


バスの中から、見えなくなるまで手を振ってくれるりっくん。

あたしも手を振り返しながら、どうしてそんなに想ってくれるんだろう……って、胸が傷んだ。


あたしは同じだけの気持ちを返せてない。

それなのに、どうして──。
< 138 / 138 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:8

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ずっと、君だけを好きだった。
Aki*/著

総文字数/4,503

恋愛(純愛)15ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop