幼なじみじゃ、いられない。


「……何してんの?」


え……?


聞こえた声に、身体が固まる。


いや、待って。そんなはずない。
きっとあたしの聞き間違い。

一瞬、夢にまで聞いた声が自分に向けられた気がして、動揺する心に言い聞かせ、落ち着かせようとする。

だけど──。


「無視?」


もう一度降って来た声に、あたしはパッと顔を上げた。


すると、あたしの目の前には……大地くん。


「……」


え、うそ……なんで?

信じられなくて、声が出ない。


だって今まで、昨日だって、あたしのことなんて知らんぷりだったのに。


無言のまま立ち尽くすあたしに、大地くんはフッと鼻で笑うと、


「それ、渡すために今年も待ってたわけ?」


あたしの持っていた紙袋を指差して、聞いてきた。
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