幼なじみじゃ、いられない。
大地くんのことは諦める。
そして、あたしはりっくんを好きになる。
ドッドッドッと、強く早くなる胸の鼓動。
意を決して告げたのに、目の前のりっくんからは何の返事もなくて、あたしはそっと顔を上げてみる。
すると、りっくんは目を丸くして、珍しく口をポカンと開けていて。
「……りっくん?」
何か変なことを言ってしまったかと、恐る恐る訪ねてみる……と、
「っ……!?」
グイッと腕を引かれて、あたしはそのままりっくんに抱きしめられた。
「えっ、りっ、りっくん!?」
「ごめん、ちょっと嬉しすぎて動揺してる。まさかほんとに本命にしてくれると思わなかったから」
ぎゅっと強く込められる力。
そしてりっくんの言葉に、きゅっと胸の奥が熱くなって締め付けられる。
「本当に俺でいいの?」
小さく問いかけるりっくんの声は、少し震えているようにも聴こえて。
あたしは迷うことなく頷いて、りっくんの身体にそっと自分の腕を回した。