幼なじみじゃ、いられない。
『俺でいいの?』……なんて、そんなの、こっちのセリフ。
「りっくんこそ、あたしなんかでいいの……?」
イケメンで何でも出来て、何より優しいりっくん。
中学生の時にはもう、大地くんと人気を二分するほどモテていたし、今だって高校で相当モテているはず。
あたしなんかを選ばなくても、もっと可愛い子も優秀な子も身近にいるはずなのに……。
「俺は最初から、ひなしか見てないよ」
そう言って、ゆっくりと身体を離すと、りっくんはあたしを真っ直ぐに見つめて、優しく微笑んで。
「絶対、幸せにする。俺を選んでくれたこと、後悔させないように」
あまりにストレートな言葉に、あたしは顔を赤くしながらも、「ありがとう」と頷いた。
大地くんとは違う。
こんなに喜んでくれる人、他にはいない。
りっくんとなら、きっと幸せな恋が出来る。
あたしはドキドキとうるさい鼓動を落ち着かせるように、小さく息を吐いてから、
「これから、よろしくお願いします」
りっくんに微笑み返した──。