幼なじみじゃ、いられない。
「葉月さん……って、あれ?起きてたの?」
「えっ、いや、あのっ……」
遠慮がちに開けられたカーテン。
驚いた顔をする先生に、あたしはバツが悪くてしどろもどろになる。
すると先生はフッと笑って。
「今、葉月さんの荷物を……名前何て言うんだっけ?同じクラスの男の子が持ってきてくれたみたい」
丸椅子に置かれたリュックを見ながら言うと、
「彼氏?」
「ちっ、違います!」
少しからかうように続けられた質問に、あたしは声を大きくして否定した。
でも、それは返って逆効果だったかもしれない。
きっと何かを勘違いした先生は、あたしの反応にクスクスと笑って。
「そうなの?でもあの子、すごくカッコいいよね。そういえば、倒れた葉月さんを運んでくれたのもあの子だったよ」
「えっ……」
「またちゃんとお礼言わなきゃね」
ニコッと笑って言った先生。
あたしは驚いて、目を丸くした。