地獄で待ってて
「合理的だね」
「うん。地獄は結構、合理主義だよ」
「それに痛めつける為にしろ相手のことよく考えてる」
「無闇にカッターとか刃物で切りつけたりしないのはやっぱりいいね」
私の感想に彼女が目を丸くする。
「――っはは、地獄に来てそんなこと言う人初めて!やっぱりあなたのそういうとこ」
彼女が一旦言葉を区切る。
「そういうとこ?」
「…… 好きだよ」
彼女が何故か苦い顔で笑う。
「ありがとう?」
だが、すぐにパッと顔をいつもの笑顔に戻し私の手を引っ張る。
「じゃ、次行こう。次」
「うん」