孤独と孤高にサヨナラを
私が話し出してから彼は真っ直ぐ私を見つめている。
だけどそれに私が答えてあげる必要はない。
だって私の気持ちも今までの努力も何もかもが今この盤面にある。


「だからもう、私は貴方に負けない」


そういって私が考えていた最善の一手を指す。
彼は盤面を見ると少し狼狽えているのかぎゅっと手を握り込む。

なんのために孤独になった。
なんのために青春を棒にふるった。
なんのために一人になった。

全てはこのためだ。


「貴方を孤高から引きずり降ろしてあげる」


それが私の目標だから。
そう自信満々にされど警戒は怠らずに頭をフル回転させる。
私が長考したからか会場にはすでに私と彼しかいない。
そんな静まり変えった空間に彼がポツリと呟く。




「…ふざけるな」

「え?」



彼の当然の暴言に驚く。
こんな軽い挑発に彼がのってくるとは思わなかった。
私が戸惑っていると彼は再度口を開くとこちらを睨みつけながら言い放つ。




「誰が好き好んで孤高になったと思ってるんだ…!」
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