触れていいのは俺だけだから
(パーマかけてよかったなぁ……)

ふわふわになった髪に触れ、杏菜は微笑む。そしていつも通りお金を払い、杏菜は「charme」を後にした。

「さて、友達とパンケーキ食べに行こ!」

大学の友達にカットが終わったことをLINEすると、すぐに返信が返ってくる。杏菜は微笑み、パンケーキ屋へと向かう。

背後で何者かが見ていることも気付かずに……。

その後、パンケーキを友達と楽しみ、話しているうちに夕方になってしまったので、お開きになった。

「また明日〜!」

「うん、レポートの資料持って来てね〜!」

手を振って別れた後、杏菜は家へと向かって歩いていく。夏のため、真っ暗になってしまうのは遅いのだが、道を歩いているのは杏菜だけだ。

(夕ご飯は、パパッと作れるものにしよう……)

そんなことを考えながら歩いていた杏菜だったが、後ろからコツコツと足音が近付いてくることに気付く。普段は気にすることはないのだが、一人で道を歩いていると気になってしまうものだ。
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