小さな世界
小さな世界
私は今でも不意にあの時のことを思い出す。私が人生で唯一1回だけ女の子と付き合あった時の事だ。あれは、幻だったのかな自分で作った虚像だったのかな、今思い返すと嘘のように純粋で綺麗な私たちだけの小さな世界がそこにはあった。思春期の真っ只中に立たせられていて、大人だか子供だか分からない時期に皆にはバレないよう2人だけで色んなことを沢山した。昔に戻れたらな、なんて過去の淡い記憶が蘇ってくる。
中3の春彼女は突然やって来た。初めて彼女を見た時、スラッと細い体でスタイルが良く綺麗な人だなと思った。彼女は東京から来たらしく地方の田舎に来るのは初めてらしい。東京人というだけで初日からその子の机の周りには沢山の人で溢れていた。だけど彼女は、そんな事気にもとめないでずっと小説を読んでいた。最初机の周りにいた人達もだんだんといなくなっていき1人になった。人の事が好きじゃないのだろうか、私は特に関わろうともしなかった。学校の帰り道いつもの道を帰っていると、そこには池の中の魚を見ている彼女がいた。素通りしようとしたら「池の魚たちは海の広大さも知らずにこのままずっとここで生きていくのかな?」と突然言ってきた。私は「どうだろうね」と言いながら内心は、何この子と思い心臓がバクバクしていた。「私もこの道だから一緒に帰ろうよ」と彼女が言ってきた。そのまま彼女に言われるがままに一緒に帰った。初めて話すのにいきなり「ヤッた事ある?」と聞いてきたて、すぐに「そんなことあるわけないじゃん! 」と言うと、「ふーんそうなんだ」「私は興味があって1回した事あるけど思ってたよりも全然気持ちよくなくてこんなもんなんだって思ったよ」と笑いながら言ってきた。変わった子だな、なんて思いながらいつもよりも帰る時間が短くなったような気がした。次の日の学校での彼女はいつもと変わらず1人で小説を読んでいる。私に話しかける気も無いようで学校では話さないけど、帰り道は一緒に帰るような奇妙な関係になった。月日が経って夏休み間近にせまった終業式の日の帰りいつも通り2人で帰っていたら彼女が「夏休み2人で秘密基地作ろうよ。皆は知らない、私たちだけが知ってる2人だけの世界みたいにさ」と言い私はすんなりと承諾した。この時くらいからもう既に好きだったのかもしれない。夏休みが始まり、廃墟となっている家を見つけそこを2人の秘密基地にした。自分の好きな物を持って来て彼女とずっと一緒に居る。こんな日がこの先も続いたらいいなと思っていた。いつも通り秘密基地で遊んでいたら彼女が「セックスとか興味ないの?」と聞いてきた。正直あったが言うのが恥ずかしくて濁した。そしたら彼女は「今からさセックスしようよ」と何も恥ずかしがらずに普通に言ってきた。初めての事で戸惑っていると彼女の方から私に手を掛けてきた。彼女の細い手は綺麗で、優しく私の体をなぞる。彼女とこういう行為をするという事にとても興奮した。彼女から服を丁寧に脱がされ、胸の辺りを触られる。「おっぱい舐めてもいい?」「いいよ」されるがままにされた。今まで味わかった事ないくらい気持ちよくて自分の物じゃない気がした。昔から大きいのがコンプレックスだった私の胸を彼女は綺麗だと言って愛撫してくれた。どれくらい経っただろうか私たちは疲れ果てて2人で寝ていた。起きたら彼女が横に寝ていて、可愛い天使のような寝顔だった。彼女は目を覚ますとニコッと笑って大好きだよと言った。私も大好きだよと言おうとしたが、その言葉は口から上手く言えずに心の中で何度何度も言った。夏休みもあと少しで終わりそうな時に私は彼女に思っていた事を口にした。「女の子の事を好きになるなんて普通の事じゃないと思うけど、好きなの」と言うとハグしてきて「付き合お」と告白してくれた。嬉しくて心臓が飛び出そうだった。夏休みも終わり普通の日常に戻っても彼女との2人の世界はまだフィクションかのように続いている。帰り道の池の前を通り過ぎた時に彼女が「もし、私が死んだらどうする」と聞いてきた。私は考えただけで涙が出そうなくらい嫌だよと、泣き出しそうな声で言った。彼女は「ごめんごめん。冗談だよ」と笑いながら言った。その日を境に彼女は学校に来なくなった。彼女の家に行っても誰も出ずに呼び鈴の音だけが響き渡る。なんだよなんでなんだよ連絡の1つぐらい入れてくれてもいいじゃんか。私がずっと傍に居てあげられるのに、貴方が望む言葉を言ってあげられるのに。私を1人にしないでよ。冬休みに入りただボーッとして過ごしていた時に呼び鈴が鳴った。彼女が来たような気がして走って行くと、彼女のお母さんが立っていた。「これ、あの子が貴方にって」と言い1つのノートを貰った。それを言うと彼女のお母さんはすぐに行ってしまった。ノートを開くとそこには彼女の字で沢山の文が書いてあった。私と最初に出会った時のこと、2人でいつもの帰り道を帰ってる時のこと、秘密基地を作った時のこと、ほんとは初めてだったセックスのことも全て私との思い出が書き記してあった。涙が止まらない、ノートを濡らしてしまいそうになる。最後のページを開いて読むとそこには、私の事が愛おしくて大好きでたまらないと私への愛の言葉が書かれていた。普段特に何も言ってこなかった彼女がこんな事を思っていたなんてと思いまた涙が出た。ノートが涙に濡らされて水玉の模様のようになっていく。最後の行に「こんな私と仲良くしてくれてありがとう。あの初めて話しかけた時さ、ほんとは死のうかと思ってたんだよね。でもね貴方を見た時になにか光を感じたの。私をここから出してくれるんじゃないかって。今でもあの時のこと鮮明に覚えているよ。なんの連絡も無しに学校に来なくなったことも会わなくなったことも謝ります。ごめんなさい。でも、許して私にはこの手紙を書くことくらいしか出来ないの。私の家さ代々昔から結婚する人が決められていて、それがどうしても嫌で嫌で辛かったの。でも、貴方に会えて生きる希望を貰えた。私も好きな事してもいいと、でもさやっぱりダメだったみたい。私は自由にはなれなかったけど、貴方といる時だけは自由でいられてる、素の自分を見せてれると思ってたの。私に生きることを教えてくれてありがとう。そしてずっと愛してるよ」手紙を読んでる途中から文字が霞んで見えて視界がボヤけていた。彼女は私に何も言わずずっと独りでこんな事を抱え込んでいたのかと思うと胸が張り裂けそうだった。もうちょっと頼ってくれてよ良かったのに。恋人なら頼ってよ。もっと我儘言って欲しかったのに。突然居なくなるなんてやだよ。君がいない世界なんて独りでに輝いてる満月くらい寂しい。その夜にある夢を見た。彼女にどんだけ追いつこうと走っても走っても追いつけないでどんどん遠くに行ってしまうような夢だった。朝起きて目が覚めていたらぐしゃぐしゃになった手紙が手に握りしめられていた。もう何年も前の事なのに未だに鮮明に思い出す。今何してるのかなんて知らないし。もうあの時の純粋で綺麗な心もない。昔みたいな私はもう居ないけどあの頃に戻れたらな、また会いたいな。今でも愛してるよ。
中3の春彼女は突然やって来た。初めて彼女を見た時、スラッと細い体でスタイルが良く綺麗な人だなと思った。彼女は東京から来たらしく地方の田舎に来るのは初めてらしい。東京人というだけで初日からその子の机の周りには沢山の人で溢れていた。だけど彼女は、そんな事気にもとめないでずっと小説を読んでいた。最初机の周りにいた人達もだんだんといなくなっていき1人になった。人の事が好きじゃないのだろうか、私は特に関わろうともしなかった。学校の帰り道いつもの道を帰っていると、そこには池の中の魚を見ている彼女がいた。素通りしようとしたら「池の魚たちは海の広大さも知らずにこのままずっとここで生きていくのかな?」と突然言ってきた。私は「どうだろうね」と言いながら内心は、何この子と思い心臓がバクバクしていた。「私もこの道だから一緒に帰ろうよ」と彼女が言ってきた。そのまま彼女に言われるがままに一緒に帰った。初めて話すのにいきなり「ヤッた事ある?」と聞いてきたて、すぐに「そんなことあるわけないじゃん! 」と言うと、「ふーんそうなんだ」「私は興味があって1回した事あるけど思ってたよりも全然気持ちよくなくてこんなもんなんだって思ったよ」と笑いながら言ってきた。変わった子だな、なんて思いながらいつもよりも帰る時間が短くなったような気がした。次の日の学校での彼女はいつもと変わらず1人で小説を読んでいる。私に話しかける気も無いようで学校では話さないけど、帰り道は一緒に帰るような奇妙な関係になった。月日が経って夏休み間近にせまった終業式の日の帰りいつも通り2人で帰っていたら彼女が「夏休み2人で秘密基地作ろうよ。皆は知らない、私たちだけが知ってる2人だけの世界みたいにさ」と言い私はすんなりと承諾した。この時くらいからもう既に好きだったのかもしれない。夏休みが始まり、廃墟となっている家を見つけそこを2人の秘密基地にした。自分の好きな物を持って来て彼女とずっと一緒に居る。こんな日がこの先も続いたらいいなと思っていた。いつも通り秘密基地で遊んでいたら彼女が「セックスとか興味ないの?」と聞いてきた。正直あったが言うのが恥ずかしくて濁した。そしたら彼女は「今からさセックスしようよ」と何も恥ずかしがらずに普通に言ってきた。初めての事で戸惑っていると彼女の方から私に手を掛けてきた。彼女の細い手は綺麗で、優しく私の体をなぞる。彼女とこういう行為をするという事にとても興奮した。彼女から服を丁寧に脱がされ、胸の辺りを触られる。「おっぱい舐めてもいい?」「いいよ」されるがままにされた。今まで味わかった事ないくらい気持ちよくて自分の物じゃない気がした。昔から大きいのがコンプレックスだった私の胸を彼女は綺麗だと言って愛撫してくれた。どれくらい経っただろうか私たちは疲れ果てて2人で寝ていた。起きたら彼女が横に寝ていて、可愛い天使のような寝顔だった。彼女は目を覚ますとニコッと笑って大好きだよと言った。私も大好きだよと言おうとしたが、その言葉は口から上手く言えずに心の中で何度何度も言った。夏休みもあと少しで終わりそうな時に私は彼女に思っていた事を口にした。「女の子の事を好きになるなんて普通の事じゃないと思うけど、好きなの」と言うとハグしてきて「付き合お」と告白してくれた。嬉しくて心臓が飛び出そうだった。夏休みも終わり普通の日常に戻っても彼女との2人の世界はまだフィクションかのように続いている。帰り道の池の前を通り過ぎた時に彼女が「もし、私が死んだらどうする」と聞いてきた。私は考えただけで涙が出そうなくらい嫌だよと、泣き出しそうな声で言った。彼女は「ごめんごめん。冗談だよ」と笑いながら言った。その日を境に彼女は学校に来なくなった。彼女の家に行っても誰も出ずに呼び鈴の音だけが響き渡る。なんだよなんでなんだよ連絡の1つぐらい入れてくれてもいいじゃんか。私がずっと傍に居てあげられるのに、貴方が望む言葉を言ってあげられるのに。私を1人にしないでよ。冬休みに入りただボーッとして過ごしていた時に呼び鈴が鳴った。彼女が来たような気がして走って行くと、彼女のお母さんが立っていた。「これ、あの子が貴方にって」と言い1つのノートを貰った。それを言うと彼女のお母さんはすぐに行ってしまった。ノートを開くとそこには彼女の字で沢山の文が書いてあった。私と最初に出会った時のこと、2人でいつもの帰り道を帰ってる時のこと、秘密基地を作った時のこと、ほんとは初めてだったセックスのことも全て私との思い出が書き記してあった。涙が止まらない、ノートを濡らしてしまいそうになる。最後のページを開いて読むとそこには、私の事が愛おしくて大好きでたまらないと私への愛の言葉が書かれていた。普段特に何も言ってこなかった彼女がこんな事を思っていたなんてと思いまた涙が出た。ノートが涙に濡らされて水玉の模様のようになっていく。最後の行に「こんな私と仲良くしてくれてありがとう。あの初めて話しかけた時さ、ほんとは死のうかと思ってたんだよね。でもね貴方を見た時になにか光を感じたの。私をここから出してくれるんじゃないかって。今でもあの時のこと鮮明に覚えているよ。なんの連絡も無しに学校に来なくなったことも会わなくなったことも謝ります。ごめんなさい。でも、許して私にはこの手紙を書くことくらいしか出来ないの。私の家さ代々昔から結婚する人が決められていて、それがどうしても嫌で嫌で辛かったの。でも、貴方に会えて生きる希望を貰えた。私も好きな事してもいいと、でもさやっぱりダメだったみたい。私は自由にはなれなかったけど、貴方といる時だけは自由でいられてる、素の自分を見せてれると思ってたの。私に生きることを教えてくれてありがとう。そしてずっと愛してるよ」手紙を読んでる途中から文字が霞んで見えて視界がボヤけていた。彼女は私に何も言わずずっと独りでこんな事を抱え込んでいたのかと思うと胸が張り裂けそうだった。もうちょっと頼ってくれてよ良かったのに。恋人なら頼ってよ。もっと我儘言って欲しかったのに。突然居なくなるなんてやだよ。君がいない世界なんて独りでに輝いてる満月くらい寂しい。その夜にある夢を見た。彼女にどんだけ追いつこうと走っても走っても追いつけないでどんどん遠くに行ってしまうような夢だった。朝起きて目が覚めていたらぐしゃぐしゃになった手紙が手に握りしめられていた。もう何年も前の事なのに未だに鮮明に思い出す。今何してるのかなんて知らないし。もうあの時の純粋で綺麗な心もない。昔みたいな私はもう居ないけどあの頃に戻れたらな、また会いたいな。今でも愛してるよ。