八千代くんのものになるまで、15秒
そ、そんなの決まってるじゃん!
「好きだよ?1年の時からずっと私は八千代くんのファンだよっ?」
八千代くんの笑った顔を見るのが好きで、
八千代くんが笑ってくれるなら何でもしたいって思うよっ!
「……確かに、八千代くんの魅力に皆んなが気づいてくれたのは嬉しいけど……」
「けど?」
「っなんか、少し、面白くないっていうか……」
そんな私に、梢は"仕方ないなぁ"とでもいうかのように息をついた。
「鈍感だねぇ、蓮って」
「な、何それ……絶対そんなことないと思うけど……」
着いた視聴覚室の扉を開けて、5人掛けの空いている席に並んで座る。
「ま、その"面白くない"っていう感情があるだけ一歩前進って感じ?」
「もう、何なのよー……」