八千代くんのものになるまで、15秒
その一連の流れに見惚れてしまった私は、数秒、反応が遅れてしまった。
「っ、あ、あの、走ってきたのっ?」
「そう。ちょっとね」
「そーいえば八千代、3年の先輩に呼び出されてたね」
「えっ!?そうなの……!?」
梢の言葉に、八千代くんは「なんで知ってるの」なんて、困ったように笑った。
「ね?蓮、言ったでしょ。八千代の人気は学年をも飛び越え始めてんのよ」
「う、」
「彼女なんてあっという間に出来ちゃうんじゃない?」
「はは。そんなことないと思うけど」
八千代くんに、彼女……
っいやいや、だから何……八千代くんが幸せなら私はそれで……
「倉木は、俺に彼女ができたら困る?」
「っ、え、」