八千代くんのものになるまで、15秒


先生が教室に入ってきて出席を取り始めた時、突然、八千代くんがそう質問してきた。

頭が真っ白になる。

チラリと隣の彼を見ると、いつも通りの余裕げな表情。
な、なに、これ……私、からかわれてる……?



「こ、困らないよ」
「そう?」

「うん……」

「抱きしめたり、キスしたりしても?」
「えっ、」

「こーやって、手とか繋いでも?」
「っひゃ、や、八千代くん……っ!」



するり、八千代くんは慣れたようにテーブルの上で私の指を絡めとった。

私の反応を楽しんでいるかのように、ゆるりと目を細めて笑っている。




「こーいうこと、他の子とするってなっても、困らない?」
「っ、ぅ」



なんか、何だろう、私の勘違いじゃなければ、
八千代くんの気まぐれ悪戯レベルが上がっているような……?
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