八千代くんのものになるまで、15秒


中学生の時も、もしかしたらそういう嫌がらせを受けたこともあったのかもしれない。


そんなあいつを助けたのが梓希で、だから蓮は恋に落ちた。

いやそりゃあ落ちるか。俺が女だとしても落ちる。
一緒にローファー探してくれたって……もうヒーローじゃん。

……まぁ、とにかく。
そんな梓希なら、蓮のことを大事にしてくれるだろう。


……でも、もしもの話。



「もし、また誰かに嫌がらせされたら、俺に言えよ」
「え?」



体育祭を経て、梓希は皆から注目されるようになっただろ。

そんな人の彼女になった蓮を、面白く思わない奴が出てくるかもしれない。



「俺が、なんとかしてやるから」



今まで何も出来なかった分、蓮のことを守ってやるから。
< 154 / 279 >

この作品をシェア

pagetop