八千代くんのものになるまで、15秒
「あっ、いや、隠したかったわけじゃなくて……何の迷いもなく付き合ってるって言ってくれたから、」
「うん」
「その、ちょっとビックリして……」
「はは、そうなの?」
「うん……。っあと、嬉しかった、というか」
ぎゅっと、太ももの上で手のひらを握りしめた。
な、なんか恥ずかしいこと言っちゃったかも……
「っあは、ごめん、こういうの慣れてなくて……変なこと言っちゃ、った……」
パッと無意識に下げていた視線を八千代くんの方へと向けると、
「っ、」
八千代くんが、今まで見たことのないような優しい表情で私のことを見つめていたから。
嬉しそうな、幸せそうな。暖かい、そんな顔をするから。
は、恥ずかしくなってくる。