八千代くんのものになるまで、15秒


「先輩っ、こんにちは〜」
「彼女さん連れてどこ行くんですか?やらし〜」

「自販機だよ。はやく教室戻りな」




柔らかく笑う梓希くんと、楽しそうにお話しする後輩2人組。

この子達、私のことを"彼女さん"って言ってたな。

体育祭以降周りから注目されるようになった梓希くんと付き合うようになったわけだけど。
やっぱり、私が梓希くんの彼女になったことはあっという間に知れ渡った。


ただ、嫌がらせとかそういうものは全く無く。
意外と受け入れられてる……ような気がする。



「すごいなぁ。後輩からも人気だね……」



教室へと戻る女の子二人組の後ろ姿を見ながらそう言うと、梓希くんは「そんなことないよ」なんて。
< 178 / 279 >

この作品をシェア

pagetop