八千代くんのものになるまで、15秒


「わ、すごい。ピアスだ」
「うん。梓希くん、ピアスの穴空いてるでしょ?」



梓希くんの横顔を眺めている時、その耳にピアスの穴が空いているのを前に見つけた。

相変わらずギャップの塊で、キュンとしてしまったよね。



「バレてないかと思った」
「梓希くんのことよく見てるんだから。分かるよ」

「はは。じゃあこれ、倉木がつけて。」



「えっ」と、思わず固まってしまう。
ピアスなんて、自分でつけたこともないのに?

いきなり人の耳につけるのって、ちょっと怖くない?



「い、痛くしちゃうかもしれないよ……?」
「乱暴にされなければ痛くならないよ」



「ん」と、顔の向きを変えて、ピアスをつけやすくさせてくれる体勢になってくれる梓希くん。
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