八千代くんのものになるまで、15秒


新しい水着ももう用意してある。
梢と夏休み前に2人で買いに行ったんだ。



「黄色と白のギンガムチェックのやつ買ったの。あと可愛い麦わら帽子も!」



水着の写真を梓希くんに見せると、笑って「かわいいね」なんて言ってくれた。

そうでしょ、そうでしょ?やっぱり可愛い水着ってテンション上がるよね。



「2人で行くの?」
「そうだよ!」

「そう。気をつけてね」
「うん!ちゃんとストレッチしてからプールに入るよ」

「そうじゃなくて。」

「えっ……もしかして迷子の心配してる?」

「はは、にぶいなぁ」



頬杖をついて、目を細めてゆるりと笑う梓希くん。



「変な男に言い寄られないように、ね」
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