八千代くんのものになるまで、15秒
その言葉にキョトンとしてしまう。
私が?男の人に言い寄られる?
「まさか。そんな話あり得ないよ」
「蓮だけだよ。そう思ってるの」
「そんなことないと思うけど……」
「周りの男に警戒心はもってね」
分かった?と、笑顔で聞いてくるけど、なんだか圧が強い。
「分かった。気をつける」
「ん。楽しんできて」
「うん!私たちも今度2人で海とかプールとか行こうね」
せっかくの夏休みなんだし!
梓希くんと夏らしいことたくさんしたいなぁ。
花火大会とか夏祭りとか。ぜったい楽しいよ。
「……そうだね」と、そう言いながら梓希くんは私の指に触れる。
どうしたんだろう?なんて考えながら彼に視線を移すと、目が合った梓希くんは笑っているけれど、どこか悔しそうだ。