八千代くんのものになるまで、15秒
「あー……蓮の水着姿、他の男に見せたくないな」
「え」
「俺だってまだ見たことないのに」
カラ、と氷が崩れる音がした。
なんか……意外だ。
もちろん、そんな風に言ってくれたのは嬉しいし、ドキッともしたけれど、
「梓希くんも、嫉妬するんだねぇ……」
少し、驚いた。
「はは、俺のことなんだと思ってるの」
「だ、だって!なんかいつも余裕そうだし……」
「んー……蓮のことは誰にも取られたくないからなー……」
当たり前のように、さらりとそう言う。
悔しいなぁ。私のこと、しっかりドキドキさせてくるんだもん。
「たぶん俺、独占欲強いよ。誰かさんと一緒」
そう言って悪戯っぽく笑う。