八千代くんのものになるまで、15秒


「あー……蓮の水着姿、他の男に見せたくないな」

「え」

「俺だってまだ見たことないのに」



カラ、と氷が崩れる音がした。

なんか……意外だ。
もちろん、そんな風に言ってくれたのは嬉しいし、ドキッともしたけれど、



「梓希くんも、嫉妬するんだねぇ……」



少し、驚いた。



「はは、俺のことなんだと思ってるの」
「だ、だって!なんかいつも余裕そうだし……」

「んー……蓮のことは誰にも取られたくないからなー……」



当たり前のように、さらりとそう言う。
悔しいなぁ。私のこと、しっかりドキドキさせてくるんだもん。



「たぶん俺、独占欲強いよ。誰かさんと一緒」



そう言って悪戯っぽく笑う。
< 198 / 279 >

この作品をシェア

pagetop