八千代くんのものになるまで、15秒


その"誰かさん"って、私のことだよね?

確かに、梓希くんのことを独り占めしたいって思うことはよくあるけれど!



「蓮は?嫉妬しないの」



そう言いながら、梓希くんは私の指を絡めとった。



「……嫉妬というか……」
「ん?」

「気になることは1つあるよ」
「……なに?」



きゅ、と指に力を込める梓希くん。
そういう仕草から、真剣に私の言葉を聞こうとしてくれるのが伝わってくる。

……こーいうところも、ほんとに好き。



「その……日向さんのことはどうなったのかな、って」



私のことを1番に考えてくれているのが分かるからこそ、こんな、私のちっぽけなモヤモヤを話すのはなんだか申し訳ないな。
< 199 / 279 >

この作品をシェア

pagetop