八千代くんのものになるまで、15秒
その"誰かさん"って、私のことだよね?
確かに、梓希くんのことを独り占めしたいって思うことはよくあるけれど!
「蓮は?嫉妬しないの」
そう言いながら、梓希くんは私の指を絡めとった。
「……嫉妬というか……」
「ん?」
「気になることは1つあるよ」
「……なに?」
きゅ、と指に力を込める梓希くん。
そういう仕草から、真剣に私の言葉を聞こうとしてくれるのが伝わってくる。
……こーいうところも、ほんとに好き。
「その……日向さんのことはどうなったのかな、って」
私のことを1番に考えてくれているのが分かるからこそ、こんな、私のちっぽけなモヤモヤを話すのはなんだか申し訳ないな。