八千代くんのものになるまで、15秒


でも、やっぱり気になるというか。
だって、日向さんはぜったい梓希くんのこと……



「"彼女ができたから"ってご飯の誘いは断ったよ。連絡先も交換はしたけど連絡は取り合ってない」

「告白とか、されてない?」
「されてないよ。」

「……私のこと、好き?」

「蓮がいれば俺はそれだけでいいよ」



"伝わった?"とでも言うかのように、優しく笑う梓希くん。



「よかった……」



梓希くんから嫌われたら、多分私、立ち直れないや。



「他に言いたいことは?」
「えっ!や、うーん……ない、かな」

「言って」
「ぅ、でも……ただの、ワガママだし……」

「はは、なに。教えてよ」



いつの間にか、左手が梓希くんのと繋がっていた。
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