八千代くんのものになるまで、15秒
私のことを逃がさないようにするためか、ぎゅ、と力がこもってる。
これはもう、正直に言わないとぜったいに離してくれないやつ。
「あの……」
「うん」
「……他の女の子のこと、好きにならないでね……?」
あぁ、もう。
余裕のよの字もない。
こんな彼女、重すぎて、引いちゃわない?
でもさ、私が梓希くんのことを嫌いになることなんて、そんなこと地球がひっくり返ってもあり得ない話で。
どんな男子と出会っても、私は梓希くんしか目に映らない。
だから、これは本当に私のワガママなんだけど、梓希くんも、この先色んな女の子と出会うとしても、
その度に私のことを選んで、
「私に、好きだよって、言ってほしい……」