八千代くんのものになるまで、15秒
「蓮は誰に投票するの?」
「んー……女子は梢にして、男子は考え中」
「ちょっと、やめてよね。私みたいなのが出ても盛り上がらないでしょーが」
「そんなことないよ。梢美人だもん」
クールビューティーっていうのかな。
外国のモデルさんみたいなんだよね、梢って。
夏休みに一緒にプール行った時も男の人に声掛けられてたもんなぁ……
「ったく……じゃあ私は蓮と八千代にしよ」
「えっ!?」
突然の私の大きな声に驚いたのか、ビクッと梢は肩を揺らした。
ポスターから私に視線を移して、「うるさいんですけど?」と、眉を寄せる。
も、申し訳ない……でも、そんなことしたらダメだよ。
ただでさえ体育祭以降から梓希くんは注目されてるんだから。