八千代くんのものになるまで、15秒
なんて、そんなことを言っていると予鈴が鳴った。
今日の午後はロングホームルームになっていて、文化祭での出し物を決める時間になっている。
慌てて梢と教室に戻ると、クラスメイトの皆んなは「タコ焼きがいい」とか「お化け屋敷もやりたい」とか。
文化祭で何をしたいか、という話でもう盛り上がっていた。
「すご……まだ先生も来てないのにもう盛り上がってる」
「私らのとこの文化祭、毎年盛り上がるからねー」
……確かに。
こうやって皆んなで楽しく何かに取り組めることって、貴重だもんね。
楽しい思い出になるといいなぁ!
「おかえり。」
席につくと、隣に座る梓希くんが柔らかく笑ってくれた。